仕方なく俺はただその子が泣くのをずっと見ていた。



彼女はすごく綺麗な顔立ちをしていた。


全く知らない子、顔に見覚えもない。


なのにどうしてだろう……


どうしてこんなに胸が熱くなるんだろう?


そして、俺はこの子をよく知ってる気がする。


一度会ったことがある気がする。



でも何も思い出せず、俺は瞳を閉じた。





――こんなに近くにいるのに助けてあげられなくてごめんね……



そこで俺は、意識を失った。