「んっ……」
眩しそうに目を強く閉じて、それからゆっくりまぶたが開いた。
生きてたわ。
「ん?あなた…誰?」
「通りすがりの者です。いや、死んでるのかと思って」
「はは、そんな訳ないじゃない」
身体を起こして、彼女は伸びをした。
「岩って寝心地悪いわ」
「そうかな。俺は好きだけど」
「変な人ね」
「君に言われたくないよ」
女の子なのにこんなでっかい岩の上でお昼寝する彼女は確実に変だ。
「ねぇ、あたしのこと警戒してないの?」
急に彼女はそんなことを言った。
いや、むしろ逆だろ。
そっちが俺を警戒するべきだ。

