一気に頭痛が和らぎ、一瞬映った女の子も消えた。
それは俺が知ってる海羅とは少し違う。
未熟さの残る顔立ち。
もしかしたらそれは……
「6年前の…海羅?」
俺と海羅が初めて出逢った日。
消された記憶が今、少し俺の中に取り戻されたのかもしれない。
やっぱり何も思い出せないけど、今はっきりした。
確かに俺と海羅は、6年前に会っているということ。
じゃなきゃ、あんな幼い海羅が俺の中に浮かぶはずがないんだ。
“あなたはあたしのことを忘れちゃうから”
もし全てを思い出すときがきたら……
君は俺から離れてしまうのかな、海羅―――