――ってか、
「誰だよ、こいつ」
まさかこの岩の上で人が寝てるとは想像もしなかった。
しかも女だし、美女だし……
青いワンピースを着た彼女は、俺より一個か二個年下だろう。
色素が薄い茶色のロングヘアーと、これまた色素の薄い肌。
長い睫毛は風で揺れそうなくらいだ。
寝顔だからよく分からないけど、きっと彼女は俺が今まで生きてきた中で見た一番綺麗な人だ。
「……生きてんのか?」
まさか死んでるからこんなに肌が白いとかはないよな。
念のため、起こしてみようか。
戸惑いながらも、彼女の細い肩を揺らしてみた。

