「6年前…あたしは11であなたは14になったばっかりだった」

「………」


それを聞いてもやっぱり思い出せない。


俺の記憶は本当に海羅によって消されたのかもしれない。



「あたしは一目惚れだった。でもまだ出逢うのにはあたしたちは幼すぎた」

「だから…俺の記憶を?」

「うん。言ったでしょ?あたしは他の子たちと違って特別だって」


それは海羅が魔法を使えるからとかじゃなくて、元が違うのかもしれない。



「海羅は一体何……」

「それはまだ言えないよ。今日はここまで」


海羅は立ち上がり、そのまま帰って行った。



話を聞いて少しは彼女を理解しようと思ったのに、謎はさらに深まるばかり。


これじゃあ収拾がつかないな。


まず俺の記憶が抹消されてる時点で永遠にすっきりしない。