そこには、水平線からわずかに見える太陽の赤。
「…日の出?」
「うん、瑠衣は見たことないでしょ?」
「うん、初めて」
「あたしからのもう一つのプレゼントだよ」
太陽の姿がだんだんはっきりとしていく。
それは綺麗で、俺はずっと見とれていた。
太陽の光をサインに、人々が新しい1日をスタートさせる瞬間。
毎日当たり前で、こんな綺麗なものとは思わなかった。
「あたしたちって、すっごい恵まれてるよね」
海羅の言葉に俺は何度も頷いた。
「感動した。ありがとな、海羅」
「ふふっ、うん!」
それから手をつなぎ、寄り添って日の出を見ていた。
「誕生日おめでとう、瑠衣――」
人生の中で一番幸せな
そして美しい
最高の誕生日になった。
それも全て、
海羅の存在のおかげなんだ――