目を閉じていると、伸ばした腕に柔らかい髪の感触。
「眠いの?」
「ううん。気持ちいいなぁって思って」
そう言って笑いかけると、彼女もにこりと笑った。
それから俺の身体に手を回し、ぎゅっと抱きついた。
「瑠衣、お願いがあるの」
突然、海羅の深刻そうな声が暗闇に響いた。
「どうした?」
彼女の髪を撫でながら聞き返すと、海羅は俺の手をとった。
それから身体を起こし、つられて俺も起こす。
言いにくそうな表情で俯いたままの海羅。
「どうしたんだよ」
顔を隠す髪をのけると、ゆっくり視線をこちらに向ける。
それから、薄く口を開いた。
「抱いてほしいの……」

