「可愛い!これって髪飾り?」

「うん」

「付けて?」


手渡されたそれを、彼女の長くて茶色い髪に付けた。


「どう?似合う?」

「うん、やっぱり海羅は何でも似合うよ」

「へへっ、ありがと♪」


彼女が髪飾りに手を当てた瞬間、爽やかな風が吹いた。


なびく髪と彼女が持つ美しさで、それは絵になるくらい綺麗な瞬間だった。


あまりにも綺麗すぎて、涙が出そうなくらいだった。



素早く目を逸らし、とっさに口を開いた。


「それよりさ、なんで今日プレゼントを?」


もしかしたら焦った口調だったかもしれない。



「明日、誕生日なんでしょ?」

「……えっ?」