ベッドに座り、俺はさっきまで親と話していたことを思い出していた。
確かにあの時のことは本当に不可解だった。
悪天候のせいで荒くなった波の中で、俺は同級生とバカみたいに遊んでいた。
母親の制止を振り切ってまでして行った海で、俺一人が波に飲まれた。
“もう死ぬんだな”
朦朧とする意識の中でそんなことを思ってたけど……それからの記憶がさっぱりだ。
「……うっ」
あの時のことを思い出そうとすると、いつも頭痛が走る。
まるで誰かが思い出させないようにしてるように。
ベッドに横になり、頭痛が和らぐのを待った。
今から海羅に会いに行くっていうのにぃ〜……
頭痛に腹を立てながら、ゆっくり身体を起こして部屋を出た。

