ゆっくり近づいていき、俺も隣にそっとしゃがんだ。
「海羅――」
「さっきの人だれ?」
「えっ?」
まさか、梢のこと?
「アレはただの幼なじみだよ」
「じゃああたしは?」
必死な様子の海羅。
彼女の髪を撫でながら、頭を抱き寄せた。
「そんなの言わなくても分かるだろ。海羅は俺の彼女だ」
「特別?」
「あぁ、好きだから」
顔を覗き込むと、彼女の目には涙が溜まっていた。
「ばか、なに泣いてんだよ」
「ぅっ…あたし、瑠衣が大好きだから…他の女の人といるの見たくない」
案外ヤキモチ灼きなんだな。
大切にするには梢ともあんまり会わない方が良さそうだ。

