どこに住んでいるのか 何人家族なのか 普段は何をしているのか 全く分からない。 海羅のことをよく知らないまま、俺たちは付き合うことになった。 毎日のようにあの岩の上で落ち合って、お互いのことについて話し合った。 それでも海羅は謎だらけだ。 彼女のことをもっと知りたいと思う気持ちは募る一方。 そして、まだ付き合いたての俺たちの楽しい時間は着実に過ぎていき、短い夏の終わりもだんだん近づいていっていた。