あれからというと、俺はどんな時もぼーっとしていてまさに“心ここにあらず”状態。
もちろんそうさせるのは彼女の言葉。
不可解で、俺を混乱させるだけ。
考えに考えても、何も思い出せない。
だって、あんな綺麗な子は初めて見たんだ。
以前会ってたら百パーセント覚えてるっての。
気になって昔のアルバムを引っ張り出したりしたものの、どこにも彼女は載っていない。
もしかしたら、人違いかもしれない。
海羅は俺以外の“ルイ”って人を探してるのかも。
なんてことも考えるようになったきた。
でもそっちの方が可能性大だ。
何日も考えた末、俺はもう一度海羅に会って事情を尋ねることにした。

