Beautiful Mermaid




「また会えるといいな」

「あたしは毎日ここに来てるよ」

「嘘つけ、俺だって来てるけど全く会わないし」

「あたしはずっと見てたよ、瑠衣のこと」


そんな言葉に驚いて、俺はマヌケな顔で海羅を見つめた。


「……見てた?」

「うん、いつも海に来てるよね。何か探し物?」


呆れた……


俺の探し物は目の前にいる海羅だったのに、彼女は全く気づいてなかったってか。



「はぁ…そうだよ、探し物。会いたい人がいたんだ」

「会えるといいね」

「そうだな」


もう会えたけど。


本当のことは隠したまま、俺は岩を降りた。


「じゃあ、またな――」

「瑠衣!」