袋からカップのアイスを取り出し、海羅に見せた。 「少し溶けてるかもだけど」 「あたしが食べていいの?」 「うん」 彼女はゆっくり手を伸ばし、アイスを受け取った。 何だかつたない様子だ。 「あんまり好きじゃない?」 「分かんない。初めてだから」 「えっ!まじ!?」 心の底から驚いた。 アイスを食べたことがない十代がいたんだな。 「一体何を食べてきたんだよ」 「あたしは特殊なの。他の子とは全く違う。だからみんなひいちゃうんだよね」 彼女は苦笑いを浮かべて、一口アイスを食べた。