しばらく黙っていると、彼女は俺の肩に頭を乗せた。


いきなりで俺の身体は硬直。


緊張してるなんてバレたくないから、必死に自分を落ち着かせた。



「ねぇ、名前教えて?」

「……瑠衣。ちなみに今年ハタチね。そっちは?」

「ミラ。海に羅針盤の羅って書くの。18だよ」


名前も綺麗だな、純粋にそう思った。



「海羅はさ、どうしてここにいるの?」

「海が好きだから。それだけ」

「ふーん」


目を閉じようとした時、さっき買ったアイスを入れたビニール袋が風でカサカサと音を立てた。


アイスの存在とかすっかり忘れてたし……



「海羅、アイス食べる?」

「アイス?」