“彼女に会いたい”


ただそれだけの理由で、俺は毎日バカみたいに海へ出かけた。


そんな簡単に会うことはできず、いつもガックリ肩を落としながら来た道を戻った。


そして、思いがけない時に俺たちは再会を果たした。










「ちょっとコンビニ行ってくる」


夜の10時頃、俺は母親にそれだけ告げて家を出た。


ゆっくり歩いて少し離れたコンビニへ。


アイスを買ったけど、帰り着くまでには溶けてしまいそう。


「あっ、そうだ……」


たしかここはあの岩の近く。


そこで食べようかな。


そう思って、海の方へ向かった。