「んじゃ もう帰るわ」 「……」 返事のない恋次に 私達は戸惑う 「最近… いつもこうやねん」 ニコリと笑う せんじの顔は曇っていた 「ねぇ… その傷……」 私がせんじの腕の方に指をさす 「あぁ… 心配せんでエエで ちょっと転んだだけや」 転んだだけ… この言葉は嘘をつくための言葉 転んでこんな真っ赤な痕なんて 付くはずない