執事の秘密


当たり前じゃん!苦しいもん!


逃げなきゃ死ぬ......。


でも、さすがにこのままじゃ確実に死にそう。


「わかった。逃げないから、まず放して。死ぬ」


そう言うとすぐに放してくれた。


体が解放されて、彼の顔をみて驚く。


なんだかすごく悲しそうな顔をしていたから。


「え?」


でもそれは一瞬で、彼は私に微笑んだ。


「里田って本当に鈍感だよな。ここまでして俺の気持ちに気づかないなんてな」


「?」


私は意味が分からなくて、首を傾げる。


でも、次の言葉を聞いた瞬間、私は驚いて声も出なかった。


「俺さ、お前のこと好きなんだ」


「っ!?」


う、嘘でしょ!?あの学校で大人気の瀧本くんが!?あり得ナッシングだよ!!


そんなことを思って固まっている私に近づいてきて、私の頬に触れる瀧本くん。


「俺ね、結構前からお前のこと好きだったんだ。でもね、俺が気持ち伝えると、家の事とか絡んでくるだろ?だから、今まで言えなかったけど.......」


少し言葉を濁す瀧本くんは、空いている手で私の髪をすく。