「いらっしゃいませ」

俺は笑顔で言った。

キミが入ってきたから。

「は、颯斗くんってなんでバイトしてるんですか?」

「え?」

レジで結菜が買う商品の会計をしてるとき、結菜がいった。

しかも

俺を春先くんじゃなくて颯斗くんって…

たったそれだけなのに…なんだかすごく嬉しかった。

「俺がバイトしてるのは…なんとなく…かな…」

結菜に…
結菜を見るため
なんて言ったらきっと気持ち悪がられるよな…

「そうなんだ…」

「うん…255円…」

「あっ…」

そう言って会計をすると、キミは入り口まで行って振り返った。

「また今度…お茶できる?」

「う…うん」

「じゃ、また…メール待ってる」

そう言って走り去るキミを見て思っていた。