昨日、私の心を奪ったのは彼でした。





『んだよ、こっちはちゃーんと、ダチを連れてきてやったってゆうのにさっ!――のーりーこっ、何突っ立ってんだよ?こっち!』

「へっ?あっ――」

『…――!!』

『こちら、仲坂 乃梨子!アタシの幼なじみ兼、親友だ!』

「こんにちは…。仲坂、乃梨子です…。」


乃梨子を目の前にした裕也も、驚いていた。

先日助けた女の子が、今、友達の友達として、目の前にいる。

もう、自分は見かけたとしても、相手からは忘れられていると思っていた、彼女が――…。


「先日は、ありがとうございました。お怪我は、大丈夫ですか…?」

『っ――!』


しかも、彼女は覚えていた。

自分の事を。

しかも、怪我の事も気にして――


『何だよ!?2人とも知り合いかよ!?…何だよ、つまんねぇな…。』

「え、ぁ、沙希…。」

『――怪我は大したことない。気にするなと言っただろ?』

「…そ、そうでしたわね。すみません…。」


一週間ぶりの再会だというのに、裕也が示す冷たい態度に、乃梨子は肩を落とす。

やっぱり、私の事、そんなに気にとめてなかったのかしら…?