「達也はいい子だよ・・・」

あたしの精一杯の言葉だった。

これ以上いうと泣いてしまいそうだから。

すると達也はあたしの頭に手をのせ小さい声で

「ありがと」

といった。あたしはその声が少し震えていたのを聞き逃さなかった。

おそらく泣きそうなのを我慢していたんだろう。

初めて見た達也の弱々しいところ。

初めて見た表情。

あたしは頭から離れなかった。

班行動が終わってもあたしの頭の中はさっきの出来事でいっぱいだった。


・・・もっといろんなことをゆってあげればよかった。

あたしは嫌いになんかならないよって。

一人にさせないよって。

どんどん頭に浮かんでくる言葉。

その中であたしは自分自身初めての感覚を持った。

それは

守りたい

そばにいたい

暖かさをあげたい

こんなこと思ったのは初めてだ。

今までのあたしは逆だった。

守ってほしい側だった。

けれどあたしが達也に抱いた感情は真逆だった。

この気持ちがなんなのか分からない。

ただ達也のあの表情を見たとき思ったんだ。

あたしはもしかすると達也のことが好きなのかもしれない

でも付き合いたいとかは思わない。

ただそばで見守ってあげたいんだ

そして達也が困ったとき、泣きそうになったとき、支えてあげたいんだ。


修学旅行最終日。雛奈に全てを打ち明け私は彼氏と別れました。

そして修学旅行が終わった今でも達也への気持ちは変わってません。



いつか達也の役にたてるといーな *