ここで余談を一つ。
おじいさんはコツコツ働くのが嫌いで、一攫千金を夢見るじじいである。
今から四十三年前、おばあさんと結婚したおじいさんには夢がある。
まだ叶わぬその夢は未だにおじいさんの中で燻(くすぶ)っており、完全に消化される事がなかった。
おじいさんは言う。
「わしは、大金持ちになっていつしかこの村を出て、まだ見ぬ土地で美人と一緒に、ひっそり暮らしたいんじゃ」
最低である。
おばあさんはしっかり者で、おじいさんのおかげで忍耐力もある。
今から四十三年前、おばあさんは心から愛した男性がいたが、その男性は心が女性の為、男と村を出て行ってしまった。
傷心のおばあさんをおじいさんが射止めてしまったのが不運の始まりであった。
おばあさんは言う。
「このご時勢、結婚をしていないと白い目で見られるし、ダメ人間を見るとわたしじゃないとダメなんだと思って尽くしたくなるんです」
巷で人気の良妻賢母である。ただし子はいない。
この二人の運命や如何に。
おじいさんはコツコツ働くのが嫌いで、一攫千金を夢見るじじいである。
今から四十三年前、おばあさんと結婚したおじいさんには夢がある。
まだ叶わぬその夢は未だにおじいさんの中で燻(くすぶ)っており、完全に消化される事がなかった。
おじいさんは言う。
「わしは、大金持ちになっていつしかこの村を出て、まだ見ぬ土地で美人と一緒に、ひっそり暮らしたいんじゃ」
最低である。
おばあさんはしっかり者で、おじいさんのおかげで忍耐力もある。
今から四十三年前、おばあさんは心から愛した男性がいたが、その男性は心が女性の為、男と村を出て行ってしまった。
傷心のおばあさんをおじいさんが射止めてしまったのが不運の始まりであった。
おばあさんは言う。
「このご時勢、結婚をしていないと白い目で見られるし、ダメ人間を見るとわたしじゃないとダメなんだと思って尽くしたくなるんです」
巷で人気の良妻賢母である。ただし子はいない。
この二人の運命や如何に。

