太郎は清々しい気持ちで目を覚ました。

空は今日も相変わらず晴天である。

この空のように自分の未来も清々しいほど順風満帆になるに違いない。

太郎には夢があった。

おじいさんが望む美人との暮らしよりも

おばあさんが望む平凡な毎日よりも

素晴らしい夢が太郎にはあるのだ。

いつか歴史に名を残すほどの偉人になる事。

それが太郎の夢である。

そして、そのチャンスが瓦版と共に太郎の手元に舞い込んできたのだ。
このチャンスを逃すつもりはない。

太郎は、身を清め、朝食を取り、排泄を済ませ、ついでにお店の金に手を出してからお気に入りの着物に着替えて、家を後にした。



桃屋の太郎なんていうのはださい。

偉人に相応しく今日からは俺の名前は

桃太郎だ!!