力のある者

「ナギ君やはり『ナギ・フィンセント・テルマルテス』は本当の名前ではなかったのか」
「はい、魔法使いだからというのもありますけど、『ナギ』はあだ名でもありません、俺に名前はありません」
「・・・・・・・・・・・」
「もともと俺は捨てられた子供でした。小さいころからギルドに所属していましたが、幼い俺にはろくな仕事は回ってこなくて失敗ばかりしていました。
俺はそのうちきずきました、なぜ俺だけこんな生活をしなきゃいけないんだ。
と、周りの子は皆親がいてお金もありました俺だけだったんですよそんな生活しているの。俺には家すらありませんでした。ただひとつ持っていたのは・・・・・殺しの才能でした・・・・・。そのせいで大人は俺をさらに冷たく非難し、冷たい目で俺を見る子供まで居ました。というか、全員そうでしたね。たぶん、親から教わったのでしょう・・・・・・あいつは『バケモノ』だと・・・・・・。後で分かったんです・・・・・俺が『時翼』だったってことが・・・・・・」
「それで俺には特別に殺しが上手かったと分かりました」
「そのせいで俺は『バケモノ』と呼ばれていたのだと後から知りました。後悔しましたよそのときは、殺しさえしていなければ俺は普通の子供だったんだから・・・・・・親は俺が『時翼』だと知って俺を捨てたと聞きました・・・・・・・・」
「それを聞いたとき俺は夢中で泣きじゃくりました・・・・・・夢なら覚めて、時翼なんかいらないと泣きながら思いました・・・・・・」
「けど、今思えばそれがきっかけで町を抜け出してヴェルタスのギルドに入ってここに来ることができた・・・・・・・まぁよかったですよ」
「今思えばですけどね・・・・・」
「ナギ君も苦労してるんだね」
「まぁ・・・・」
「でも、まだギルド上層部では俺のことをよく思ってない人もたくさん居ますけどね。だから、派遣に使われたんですし、ギルド内だったら下層部にあたりますし・・・・」
「でも、まぁ結局あだ名もありませんから中途半端な魔法使いですよ俺は」