ネオンの人工的な光りが覆い尽くす繁華街。

そこに私はいた。


「山口さ~~ん、大好き!!」

「僕もだよ!!」

「うれし~!」



こんな風に思ってもないことを口にする。

この所謂(いわゆる)夜の仕事は、私にとってすごく楽な仕事。

素の自分でいなくてもいい場所だから。


私はこの《Butterfly Honey》に来てやっと1年。

まだ素の自分は出せていない。

ってか、出さない。絶対。

素の自分見せてもろくなことないから。