私はこの日から外に少しづつ出ていこうと決意した


盲学校みたいなところで

白杖や点字器、盲人用ポータプルレコーダーなどの

使い方を学ぼうと門を叩いた

少しづつでいいから

自分のペースで一歩づつ進んでいこう…

そう決心した


目が見えないことで歩くのもままならない麻美が

今まで手にしたことのない物を使って日常生活を送っていくのだから

決して楽ではなった


白杖は目の変わりに

常に自分の前に持ち

障害物がないか確認しながら歩いていく

初めはまっすぐ歩くことさえ出来ない


室内なら手すりを持ちながら歩くことが可能であるが

外には手すりがない


大通りに出れば点字ブロックが道に貼り付けてあるが

家の前にはさすがにそんな道はない

私は必死にまっすぐ歩く練習をした

何度も家の壁にぶつかりながらも

懸命に努力した