そよそよと風が吹き渡る。人は帰宅を急ぐ途中。

けして穏やかではないが、自らが1番休まる家に帰ろうとしていた、ある夕暮れ時。


『待って!何処に行くの?柚花ちゃん!!』

茶色の髪にわりと長身な男子高校生が金髪の女子高生を慌てて追いかける。


『着いてこないで!!』そう彼女は言った。
思いの外イライラしていたようで大きな声で叫んでいた。

『ーっ。』
居たたまれなくなり、走って道路を渡る。



キキキキキーーーー!!どんっ!!
ガシャーン!!

『柚花ちやん!!』
悲痛な声で叫ぶのは彼女と言い合っていた男子高校生だったーー。