ガチャ
私は家の扉を開けた。
私は結局、あの人を待たずに帰ってきた。
あの人にこれ以上迷惑をかけたくなかった。
ケガをさせたって勘違いして薬まで買いに行くほど優しい人。
あの人が、待っている場所にいない私を探しているかもしれないと思うと、なんだか胸が苦しくなった。
「ハァ…」
ため息をつきながら靴を脱いでいると、前から人の気配がした。
「真依…?」
そこにいたのは、パジャマ姿の母親だった。
なんで起きてるの…?
いつもはもう寝てる時間なのに。
「…何なの」
自分でも驚くほど冷たい声が出た。
メニュー