「だから違…」 「ちょっとここで待ってろ!今、薬買ってくるから!」 私が言う隙間も与えず、彼は自転車に飛び乗り 目にもとまらぬ速さで自転車をこいで行った。 「…何あの人…」 呆然とする私。 違うのに。彼が傷つけたんじゃないのに。 ふいに手で顔を触ると、涙が出たせいで顔が強張る感じがした。 「涙、流したの…?」 あの時以来泣かなかった私が…? 「…っ」 私は、彼が自転車で行った逆の方へと駈け出した。