「ほんとだ…。」
さっきまでは力も入らなかったのに。
今は普通に立ててる…。
「よかったじゃん、立てて。」
男はそう言いながら、まだ私の手を握っていた。
…はっ!
なんでまだ私、この人と手握ってるんだろう…!
「は、離して…。」
うつむきながら言う私に、その男はやっと気付いたようだった。
「…あ、そうだったな。ほら…、
!?」
グイッ
離しかけた手を、男はまた引っ張った。
「えっ」
男は私の手首を凝視していた。
訳がわからない私も、手首を見た。
そこには、
さっき不良に強く掴まれた、手の形のあとがありありと残っていた。

