私がつくころには日は沈んでいた。
私は、夜に開く店の階段に座り、そこから行きかう人々を見つめてた。
ここは、夜から活動が盛んになる街。
そう、繁華街。
グテグテに酔っぱらったサラリーマンや、ガラの悪い不良が私の目の前を通り過ぎていく。
ここが私を一番落ち着かせる場所。
私の唯一の居場所。
夜中になるまで私はここにいるのが当たり前だった。
夜中になれば母親は寝て、私は顔を見なくて済む。
それまでの時間潰しだった。
私が人々を見つめていると、向こうから、
ワックスで髪をツンツンに立てた男が私に近付いてきた。
「ねぇねぇ君、すっごく可愛いよね。これから俺と遊びに行かない?
お腹すいてるでしょ、飯でも食べに行こうよ!」
なんだ、ナンパか…。
私は無視した。
諦めずに男は話しかけてきたけれど、私の態度を見て諦めたようにどこかへ行った。

