HRのあと真帆に声をかける。

「真帆…萌佳がー…」

「連絡来たよ。出ないって―…
でも、諦めないって言うと萌佳怒って電話切ったから
どうしょうって思ってて…」

「喧嘩したのかよ。」

「なんで行かないの?理由聞いても答えてくれなくて…
理由ないなら最後だからって。」

俺も溜息ついた。

「萌佳が行かないのは、お腹の子が息子で親父が
後継者って喜んでて、何かあってからじゃ遅い
って判断したからなんだよ。」

「せ、性別聞いたの?」

「あぁ。萌佳自身も喜んでてさぁ。
俺は、萌佳の判断は間違ってないって思うからな。」

「そうだな。俺らは跡取りがいる訳だし…
必ず安全じゃないのに、言えないよな。」

「真帆もいずれ俺の会社の事も考える時がくれば、
萌佳ちゃんの気持ちもわかるだろうー…」