てがみ~未来への約束~

「おい、羽村。

 なんでこんな所にいるんだ?

 お前に頼んでおいた書類が

 まだ僕の手元に

 届いていないけれど、

 どうしたんだ?」


静かに、でも鋭い声が

小さな空間に響き渡る。


「か……課長」


蚊の鳴くような小さな声で、

私はようやく名前を口にする。


キッとした表情を見せた課長が、

羽村さんに向かって、

静かに怒りをあらわにしている。


「課長。まぁ、そんな

 怒んないでくださいよ。

 あと少しで仕上がりますんで」