てがみ~未来への約束~

「……!」


言い終わった瞬間、

羽村さんが私の耳元に

甘い息を吹きかける。


そのもわんとした感覚に、

思わず身体が仰け反る。


「つぐみちゃん、

 もしかして感じちゃった?

 耳が弱いんだね。

 かわいい……」


そう言いながら、

羽村さんはなおも

私の耳に甘い息を吹きかけ続ける。


誰も来ないこの空間を

どうしたら脱出できるのか、

考えようにも

この感覚のせいで頭が回らない。