心を落ち着かせるように、

ゆっくり支度する。


整ったのを確認すると、

壁にかかる時計に目をやる。


「あと、1時間……」


羽村さんとの約束の時間まで、

ちょうど1時間。


私はベッドの横のミニテーブルから、

大阪行きのチケットを手にした。


それをバッグにしまうと、

深呼吸をしてから部屋を出た。