でもやっぱり、

部署内に流れる空気が違う。


どうしてもそれが気になってしまって、

仕事どころではなくなっちゃう。


「……課長がね……」


「まさか、箕輪さんとね……」


「仕事場でやめて欲しいね……」


カタカタと響く

キーボードの音に混ざって聞こえる

社員の呟き。


それがどんどん膨れ上がって、

早くこの場から逃げ出したかった。


就業時間の5時まで、

あと3時間――。