ミスのないように、

いつも以上に集中してパソコンに向かう。

でも、集中力はいつも以上に続かない。

どうしても課長の言葉が気になっちゃう。

私はもう一度、

課長の席へと視線を向けた。

ふと、課長とバッチリ目が合う。

急に恥ずかしくなって心臓が波打つ。

顔もポッポと熱くなり、

思わず手で覆いたくなる。

――やっぱり、

かーくんを意識しちゃうよ。

視線を外そうとした時だった。

課長は真っ直ぐな視線を

大きく2回キュッキュッと右へ動かした。

『今からこい』

そう言われた気がして、

私の鼓動がドクドクと暴れ始めた。

――とうとう、この時が来たんだ。