「後で、会議室に来なさい」

それだけを告げると、

課長は何もなかったかのように

一番奥の自分のデスクへ座った。

周りの社員も、

課長に倣うように

でもどことなくふわついた雰囲気の中

おのおのの席へとつく。

羽村さんは私に向かって

にっこりと笑って手を振る。

私は羽村さんに手を振り返すことなく、

渋々自分の席へと座った。

なんで隣が羽村さんなんだろう。

小さくため息をつきながら、

“課長の呼び出し”

のことに考えを巡らせ始めた。

いったいなんなのだろう。