てがみ~未来への約束~

「!!」

羽村さんのキス。

それも、かーくんの目の前で。

周りの社員が好奇な視線を向けて

キャーキャーとざわつく。

――これは全部、

羽村さんの一方的な行為なのに。

ここにいる全ての人が、

私も同意の上での行為だと

勝手に思い込んでる。

ううん。

単に人の色恋沙汰が

面白いだけなのかもしれない。

それでも、

社員の視線が今の私には痛すぎる。

ただ……

たった一人だけ、

私と羽村さんを

冷ややかな視線で見つめていた。