悪びれる様子もなく言う

羽村さんの神経が信じられない。


“お礼”って普通、こんなんじゃないはず。


それなのに……


「一緒に帰る? つぐみちゃん」


「け、結構です! お疲れ様でした」


私は逃げるように会社を飛び出した。