とてつもなく長く感じたキスが終わると、

羽村さんはようやく私を解放した。


「ごちそうさま」


そう言って、口をじゅるっとさせる。


乱れた服を整えながら、

きっと羽村さんを睨みつけて叫んだ。


「ひどいです! こんな……。

 こんなこと、するなんて!」


「“こんなこと”って、

 つぐみちゃんこそひどいなぁ。

 これ、残業を手伝った“お礼”だよ?

 まぁ、俺はキスだけじゃなくって

 つぐみちゃん全部を食べたかったけど」


「……!」