玲子が真由に向かって叫んだ。


「え……」


真由が戸惑っていると

玲子が言葉を続ける。


「香坂君に保健室に

 連れて行ってもらったからって、

 付け上がるんじゃないわよ」


「そんな。私、付け上がってなんか……」


「その態度がムカつくんだよ!」


真由の言葉を遮り

玲子がさらに大声で叫ぶ。


その玲子の言葉に

エリとカヨはにやけながら頷く。


「あなたは痛い目見た方がいいのよ」


玲子はさげすむような目で真由を見て、

エリとカヨと共に昇降口を後にした。


真由は心身が鉛のように感じながら、

ローファーに入っている画鋲を

一つ一つ取り除いた。