圭輔は友達と一緒に下校している。


一緒にいる友達が

圭輔に向かって言った。


「おい、アイツ。

 お前の事が好きなヤツじゃん」


その言葉に圭輔は反応し、

辺りを見回す。


そして真由と目が合うと、

無表情で軽く会釈をした。


「え……」


圭輔の会釈に真由は戸惑いを隠せない。


とりあえず

真由も圭輔に軽く会釈をする。


圭輔は何事もなかったかのように

真由たちを追い越し去っていった。


「真由。

 今、香坂君、ペコってした、よね」


杏奈が確認するように真由に言う。


「う、うん。ペコってした……」


真由は圭輔の行動が全く読めないまま、

ただ呆然と立ち尽くしていた。