足音に気付いたのか、

パタパタと駆け足で

母親が近付いてきた。


「真由。リラックスしてね。

 真由なら大丈夫だから、ね」


柔らかな笑顔で

真由の緊張を解そうとしてくれる。


その母親の温かさに

全身の力が解れる。


「ありがとう、お母さん。

 じゃ、行ってきます」


飛びっきりの笑顔で挨拶すると、

真由は元気良く玄関を出た。