初恋-はつこい-

願書の受付である

事務室の前には、

志望する中学生の

長蛇の列が出来ていた。


真由たちも最後尾に並んで

受付の順番を待つ。


真由は改めて

高校の概観を見渡し始めた。


中学の校舎とはまた違う昇降口。


中学にはなかった自転車置き場。


在校生が

優秀な成績を修めたのだろう

垂れ幕が掲げられている。


香坂君と一緒に

この高校に通えたらいいな……


真由は桜咲く季節へと

想いを馳せていた。


「はい、次の人。受付します」


そうこうしている内に

受付の順番が回ってきた。


“入試はここから始まっている”


担任の臼倉先生の言葉を思い返し、

真由は失礼のないように、

受付の先生に挨拶をする。