初恋-はつこい-

勇二の言葉に

周りの初詣客が振り返る。


真由はこの状況が息苦しくなり、

無意識に

「私は今日、

 香坂君と一緒にいたいの!」

と、俯きながら叫んだ。


真由は言った瞬間我に返り、

恐る恐る勇二の方を見た。


勇二は顔を真っ赤にさせながら

その場に立ち尽くしている。


「ご、ごめんね……」


真由が今にも

消えてしまいそうなほど

小さな声で謝る。


「謝んなよ」


勇二は小さく言うと、

一瞬だけ圭輔を睨み

その場を去って行った。


圭輔と真由の間に流れる

気まずい空気。


この場をどうしたら

いいのか分からず、

小さうずくまっている真由の

目の前にジュースが差し出された。


「ほら、これ飲んで

 ちょっと落ち着きな」


ふんわりとした

優しい口調で圭輔が言う。


その言葉に真由はこくんと頷き、

圭輔からジュースを受け取った。