初恋-はつこい-

初詣客で賑わう神社。


しかし3人の間に流れる空気は

それとは全く違っていた。


何とも居心地の悪い、

ピリピリと電流が

走っているかのような空間。


真由はベンチから動けず

ただ俯いて座っていた。


「香坂が……

 何でここにいんだよ」


勇二が圭輔を鋭く

睨みつけながら言う。


その響きに

真由はじわじわと

恐怖を感じ始めた。


勇二のまるで

身体を切り裂くような問いかけに、

圭輔は一呼吸置いてから

口を開いた。


「何で、って。

 菅野と初詣に来たんだよ」


勇二とは対照的に

冷静に落ち着いた表情を

見せながら答えた。


その姿にかちんときたのか、

勇二は圭輔に勢いよく近付き、

胸ぐらを掴もうとしたが

一瞬ためらい、一歩下がった。