「やっぱり……

 諦めらんねぇ!」


勇二が顔を

真っ赤にさせている。


「今はダメかもしんねぇけど、

 いつか……

 菅野を振り向かせてやる」


勇二は圭輔を

睨みつけながら言った。


圭輔は勇二から

視線を外すことなく、

ただじっとしている。


「なぁんだ、つまんないのぉ」


背伸びをしながら

玲子が退屈そうに言う。


「菅野さんと土屋君、

 うまくいってくれたら

 良かったのになぁ。

 そしたら玲子。

 香坂くぅん独り占め

 できたのにぃ」


そう言いながら

玲子は圭輔の方へ行き、

圭輔の背中に身をゆだねた。