初恋-はつこい-

勇二の言葉が

周囲の空気を一瞬にして変えた。


しばしの沈黙。


真由は突然の告白に

どうしたらいいのか

分からない。


ただただ呆然としていた。


沈黙を破ったのは

玲子の高笑いだった。


「やったじゃなぁい、菅野さん。

 土屋君が何のとりえのない

 あなたのことが好きだって」


玲子が棘のある言葉を

真由に向かって言う。


そして甘く緩んだ顔で

圭輔を見ながら、

「玲子と香坂くぅん、

 菅野さんと土屋君。

 お互いお似合いなカップル

 じゃなぁい」

と言葉を続けた。