初恋-はつこい-

「おい、長嶋。

 そんな言い方ねぇだろ!」


勇二からの反論が

くると思っていなかったのか、

玲子の表情が一瞬固まる。


しかしその瞬間、

玲子は満面の笑みで拍手をした。


「あぁ、そういう事なのね。

 菅野さんと土屋君、

 付き合ってるのねー」


校舎内に響き渡る玲子の声。


その声に真由は慌てて否定する。


「そんなんじゃないって。

 土屋君はただ、

 泣いてた私に……」


必死な真由の声を

遮るように玲子が言葉を続ける。